基礎工事とは
基礎工事とは建物全体の足元を支えるための土台をつくる大切な工事のことです。
住宅の基礎工事にはいくつかの種類があり、敷地の地面の質に応じて適した基礎工事を選択することが重要です。
基礎工事の種類
ベタ基礎
近年の家のほとんどがこのベタ基礎を採用しています。
まず家が建つ予定の場所のほとんどすべての範囲をコンクリートで覆います。
面で支える基礎のため、シロアリ対策にも優れているとされています。
また不同沈下にも強いとされていること、施工の手間がさほど必要ではないことからも採用されやすい方法です。
一方、家の建つほとんどの部分をコンクリートの面で支えることから、必然的にコンクリートの量が増え資材コストの部分が高くなる傾向にあります。
布基礎
家屋の外周部分や、間仕切りの壁、柱が入る部分を中心に支えるのがこの布基礎です。
現在、ベタ基礎が主流となっていますが地盤がしっかりしている土地や地盤改良がおこなわれている土地であればこの布基礎でも問題はありません。
居室下部にあたる部分には防湿シートや押さえコンクリートを使用します。
そのため過度の湿気の発生を抑えられ、カビの発生の抑制にも効果があります。
コンクリートや鉄筋量が少なく済みますので、基礎そのものが軽量となるメリットがあります。
独立基礎
建物の主要部分(住まいエリア)以外に基礎が必要となった場合には玄関のポーチを支える、デッキ部分を支えるなど独立して支えが必要な部分に使用する方法で対応が可能です。
これは、独立フーチング基礎とも呼ばれる住宅基礎で、家の作りによっては必要となってくるものです。
「ベタ基礎」「布基礎」とは連続しないもので、点として存在するのが基本であり特徴です。
地盤改良の必要な場合と方法
表層改良法
家を建てるのに良好と考えられる地盤が、土地の表面に見える軟弱地盤から2m以内の深さに存在する場合に必要です。
柱状改良法
軟弱な地盤が2~8mの場合、左記の表層改良法では不足です。
固い地盤に当たるまで石を柱上に打ち込みます。
鋼管杭法
支持層が8m以上深い場所にあるケースで採用されるのがこの「鋼管杭」です。鋼製の杭を強い地盤の層に達するまで打ち込みます。
基礎工事の工程手順
01 地縄・遣り方(やりかた)
敷地内の建物位置の確認作業後、建物外周に木杭を打ち込み、レベルを使い設計上の基準高さと同じ高さで貫板を使い建物の周りに囲いを作ります。
02 根切り
建物の外周部・内周部を貫き板から深さを割り出し正確に掘り整地をします。
03 砕石敷き
地耐力を確保する為に砕石を敷込みます。プレートなどでしっかり転圧します。
04 捨てコン
墨出しをする為の生コンクリートです。強度を出すためではありません。
05 鉄筋組み
捨てコン・砕石の上に鉄筋を決められた位置に並べ、結束線で固定します。基礎の配筋は構造計算により決められます。
06 外周枠組み
墨出しの線に基づいて外周部に基礎型枠を組んでいきます。
07 ベース生コン打設
基礎範囲に生コンを流し込み、水平に仕上げます。
08 内部型枠組み
土台や柱の立つ場所などの立ち上がり基礎を作るための型枠組みです。
09 アンカーボルト設置
基礎と土台を連結する大切なものです。
10 立ち上がり生コン打設
基礎天端1cm下がりまで生コンを流し込みます。レベラーを使い水平に仕上げます。
11 型枠ばらし
外部型枠・内部型枠の取り外しです。点検をして必要ならば補修を行います。
12 完成
最終検査後、問題がなければ施主(依頼主)にお引渡しとなります。